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『Jリーグ再建計画』を読んだ感想

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2014年シーズンはガンバ大阪の優勝で幕を閉じたわけですが、皆様楽しめましたか?

 

優勝争いも降格争いも最終節までもつれ込んでいたので結構楽しかったと思います。私が贔屓にしているセレッソ大阪は降格してしまったのですが……。

 

さて本書についてですが、Jリーグが今何を考えているのか、将来に向けてどのように進んでいくのか、改革のプロセスなどを紹介しています。

 

個人的に特に気になっていたのが、ポストシーズン制*1の導入秋春制への移行の検討Jリーグのプレミア化構想かな。

 

このあたりは昨年あたりからニュースにも取りざたされているので知ってる方も多いと思います。

 

もちろん私も知ってはいたのだが、どういう背景があって、議論され、決定、見送りされたのかまでは知らなかったので、そのあたりを知れておもしろかったです。

 

創設20年を越え衰弱の危機にあるJリーグは、いったいどこに行こうとしているのか。海外で勝てないJクラブ、苦しいクラブ経営、日本代表選手の海外移籍によるリーグ空洞化などの問題から、J3創設、ポストシーズン制の導入など、Jリーグ自らが問いかける再建への緊急提言書。

引用元:『Jリーグ再建計画』裏表紙

 

特に興味深かったところ

 

Jリーグの現状

 

  • Jリーグへの世間の関心度が下がっている
  • Jリーグ中継の視聴率は概ね3~4%→地上波ではテレビスポンサーがつかない
  • J1、J2全試合をカバーしているスカパー!のJリーグビジネスは赤字と言われている
  • 電通、博報堂を以ってしても広告看板が完売しない

 

日本代表があれだけ人気なわけだから俄かに信じられませんが、Jリーグの現状はこんな感じだそうです。

 

確かに自分もテレビで見るぐらいで、スタジアムに足を運んだり、グッズを購入したり、最近全くしていません。

 

ポストシーズン制の導入

 

具体的にはポストシーズン制を採用すれば、2014年度の13億円減収を回避し、さらに2015年シーズンには10億円増収するという見込みがついた。この増収見込みの10億円を未来への投資の原資にできる。こうしたビジョンのもと、ポストシーズン制の導入を決断した、というのが大まかな背景である。

 

2015年、つまり来シーズンから導入される。これは本当に物議を醸した事案だったと思います。私は最初このニュースを聞いた時に「最悪やな」と思いました

 

ただこの本を読んだことで決定に至ったプロセスがわかり理解はできました。でも理解はできてもやっぱりポストシーズン制は微妙だなと思っています。

 

これはJリーグの成長戦略という大きな枠組みについて話し合う中で、名案が出てこず、万策尽きた上で絞り出されたアイディアだったそうです。

 

Jリーグの中の人たちも1ステージ制の現行方式がベストであるとの認識はあるが、経営基盤の安定したJリーグを築くためには迂回することもやむを得ないとのこと。

 

そしていつまでポストシーズン制を続けるかは現状では決まっていない。効果を検証するためにも最低5年ぐらい続けるらしい。

 

2年ぐらいで戻すことを期待していたのだが・・・。

 

世界トップクラスのリーグでポストシーズン制を導入しているところはないので、ぜひとも早急に1ステージ制に戻してほしいことを願うばかりです。

 

Jリーグは秋春制に移行するのか

 

ただし、この確認の中で、「秋春制」という言葉は使用されていない。というのも当の欧州が、2022年のカタールワールドカップ以降に、Jリーグと同じ「春秋制」へのシーズン移行を検討する動きがあることが2013年2月に判明したからである。

 

これも難しい問題ですね。個人的には「秋春制」でも「春秋制」でもどちらでもいいのですが、欧州に合わせた方が移籍やら代表戦の日程やら合わせやすいとは思います。

 

でも「秋春制」の場合、北国ではスタジアムはもちろんのこと交通やら練習場やらの積雪対策が必要になってくる。これは費用もかかるので、それをどうするかを考えないといけない。

 

欧州に合わせることでJリーグのシーズン半ばに移籍するケースも少なくなるだろうし、逆に欧州でプレーする選手の移籍も促せるのではないか。

 

日本代表選手の海外移籍によるJリーグの空洞化も指摘されているが、中村俊輔選手のように日本に戻ってきてからJリーグに新しい風を吹かせるケースも増えると思うので、海外移籍がJリーグにとってマイナスの要因になるばかりではないと。

 

ただ移籍する際にはきちんと所属クラブに移籍金が入るように(0円移籍をなくすように)、クラブ側は契約交渉時に工夫しなければいいけない。

 

その他

 

「再建計画」なので、クラブの経営改革についても当然触れている。横浜Fマリノスの改革の話はおもしろいと思った。本気出して取り組めばこんなにすぐに効果が出るんだなと。

 

それでも現状の収支がトントンってのは、Jリーグの構造自体に問題があるのではと思わされた。

 

アジア戦略についても欧州に負けているので、ここも踏ん張って何とか拡大していってほしい。

 

いまだにネットメディアの取材解禁がなされていないことも微妙だな。紙媒体の既得権侵害になるから見送られているとのこと。

 

まとめ

 

今回取り上げた問題は数年前から議論されているので特に目新しい問題ではないし、感想を書いてて気づいたけど再建計画に関係ない話題が多くなってしまった。小難しいことについては本を読んでください!

 

最近では海外サッカーが簡単に見れるようになったし、情報を得ることも簡単になったから、Jリーグよりもレベルの高い海外のサッカーを好む人も多いと思う。

 

でも私はJリーグが好きだ。

 

100年後にはイングランドにもスペインにもドイツにも勝っている世界最高のリーグになっていてほしい。

 

そのためには私みたいなライト層がもっとスタジアムに足を運ばなければいけないと思ったし、スタジアムに足を運ばせるようにJリーグは努力する必要があると思う。

 

*1:ポストシーズン制の大会方式は、18クラブによる2ステージ制で、まず前期・後期各ステージ1回戦総当たりのリーグ戦を行い、リーグ戦終了後、前期優勝チーム、後期優勝チーム、年間勝ち点2位チーム、3位チームの計4チームがSS(スーパーステージ)に進み、ノックアウト方式のトーナメント戦を戦う。最後にこのSSの勝者とリーグ戦年間勝ち点1位チームによるCS(チャンピオンシップ)を開催し、年間チャンピオンを決定する。

 

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