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箱根駅伝を題材にした小説『風が強く吹いている』を読んでみたらめっちゃ良かった

三浦しをんさんの小説『風が強く吹いている』を読みました。

きっかけは、何かおもしろい小説ないかなと探していたところ、妻に勧められました。

スポーツ、しかも大好きな箱根駅伝が題材の小説なのに全く知らなかった。

調べてみると、2006年に刊行、2007年に漫画化、ラジオドラマ化、2009年に映画化されているというめちゃくちゃ有名な作品でした。

多分読んでいる人はたくさんいるんだろうなと思いながらもせっかくなので感想を。

結論から言うと、読んでいない人はぜひとも読んでほしい一冊でした。

あらすじ

箱根駅伝を走りたい――そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。「駅伝」って何? 走るってどういうことなんだ? 十人の個性あふれるメンバーが、長距離を走ること(=生きること)に夢中で突き進む。自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を繋ぐことで、仲間と繋がっていく……風を感じて、走れ! 「速く」ではなく「強く」――純度100パーセントの疾走青春小説。

三浦しをん『風が強く吹いている』|新潮社

清瀬灰二(ハイジ)は寛政大学4年生。高校時代は将来を嘱望された陸上の長距離選手だった。その彼が、偶然出くわした万引き犯の蔵原走(カケル)と、自身が居住している「竹青荘」の個性豊かな住人とともに、箱根駅伝を目指すというストーリーです。

感想

めちゃくちゃおもしろくて、一気に読み上げてしまった。

私は競技レベルで陸上をやっていたわけではないのですが、読んでいて何度も込み上げてくるシーンがありました。

走ることってめちゃくちゃしんどいことで、「竹青荘」のメンバーの中にも嫌々走り始めた人もいたわけですが、どんどん走ることに魅了されていき、最後には走らないと落ち着かないという言葉が出てくるまでになりました。

この本で特に好きな描写は、箱根駅伝のレース中。

次に襷を受けて走る選手とサポートで付き添っている選手とのやり取りの時間が好き。つまり走る前の時間です。特にハイジが走る前の王子とのやり取り。

「ハイジさん。僕は楽しかったな。この一年」「俺もだ」

これはもうかなり終盤の描写です。あの王子からこんな言葉が出てくるんだもんね。

それから箱根駅伝を走っている最中の各人の頭の中の描写もおもしろい。こんなこと思っていたんだとかこういう人だったんだとか、

特にキングには共感した。人に対する距離感がとても似ていて、同じような感じだなと思った。ハイジから箱根駅伝を目指すぞと言われて、最初は一人だけ取り残されるのが嫌で、「竹青荘」の中でこれ以上浮いた存在になりたくなくて走り始めたとか、すごいわかるわ。それが最後には……。

俺はなあ、ハイジ。これが夢であってほしいと思うんだ。二度と覚めたくないほどいい夢だから、ずっとたゆたっていたいと思ってるんだよ。

引用した箇所いっぱいある。思い出す度にもう一回読みたくなる。

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